家に帰りたくない
仕事に追われている時間が一番安心する。しかも、納期に多少の余裕があるうちは。正月元旦から仕事をできることに感謝を。家を脱出できたことに感謝を。
今年の正月はトップクラスにきつい。恩赦感がない。ただ「嫁として」の義務が私をがんじがらめに縛り上げる正月。これから私は嫁として行きなくてはならないのだ。嫁にとって正月は戦争なのだろう。戦わなくてはならない。
考えてみれば、私がこの職種を選んだのは、正月でも仕事をしなくてはならないからだ。どんなときでも家に帰りたくない。そんな思いだった。24時間365日、会社はいていて、仕事だと言えば家に帰らなくていい、そう思っていた。
だが、実際には、どんなにきつくても家に帰ってこなくてはいけない時はあるし、きついと今度はそれで心が壊れそうにもなる。どっちにいっても私には居場所がなかった。
普通の家庭ってなんだろうか?家に居場所があるってなんだろうか?息がつまらない家庭って、息がつまらない人間関係ってなんだろうか?
いつもいつも怒られていた。お前はだらしがない、気が利かない、要領が悪い。怒られることが当たり前だった。それ以外、家族との関係の築き方が分からない。
ほっとできる関係ってなんだろうか?どうやったら家族と人間関係を作れるのだろうか?私には分からない。一人は寂しいけれど、人が家の中にいると落ち着かない。
どうやって人が家の中にいるのに、リラックスをできるのだろうか?これ以上、私のダメな人間性がバレないようにどうやって過ごせるというのだろうか?とか、思ってる時点でやっぱ私って人間関係を紡ぐのが苦手なんだろうなーと思う。
本当は、家の中で、膝を抱えて壁を見据えているような根暗な人間なんだけど、他人には明るくて快活な女性と見られるように必死に仮面をかぶっている。
根暗でクソキモオタなんてことはバレバレだと思うけど、どうしてもバレるのが怖くて、気がつくと、いつも呼吸が浅くなって肩に力が入ってしまう。
ああ、どうやったらまともな人間になれるのだろうか…。
わかってる、全部私自身の問題なのだ。誰もきっと私のことを咎めてはいないのだ、ただ、私自身が私を誰よりも批難し、見下しているのだ。