インターネット上ではテレビ的映像広告は通用しない
連投で他所様のブログのっかりブログです。てへぺろっ
自分をミソジニーと自覚してんのかしていないのかちょっとよくわからないブロガーさんの記事を読んである一つの発見をした。
働くママ向け動画を並べてみた。やっぱり女性は共感したい生き物なんだと思った。 - 私は「女子」が嫌いです。
サイボウズが仕掛けた女性応援?動画が、女性たちの支持を得ているそうで、それを中心とした働くママ応援VTRの比較をブログではされている。
私はこの手の誰かに作られたイメージの母像とか、働くママ応援とかいうオナニーみたいな動画は基本的には好きではないので、FBで「マジ号泣」と言われてもスルーしていました。が、このブログを読んで気になっちゃったので、見た。
サイボウズ ワークスタイルムービー「大丈夫」 - YouTube
ブログでは、女性たちが共感するのは
リアリティのあるワーママ像と、オチがなく共感を求める女子っぽさが女に受けたとブロガーさんは考察している。ようはガールズトークの「わかるわかる〜」と傷を舐め合っている図のインターネット動画版だということ。これを男が見ると「で?」となるそうだ。
それと対照し、女性たちから共感を得られず、炎上したのがこれだそうです↓
「ねえ、お母さん」篇 山崎まさよし ボンカレースペシャルムービー - YouTube
こんなきれいな働くママに共感できるか!とか、ということでこれは男が女に求める理想な妻像だ!と炎上したとかしないとか。
んでもう一つ。男性が、女に「そうだよね〜」の共感を与えず、論理的に解決策まで出してしまった結果全然誰の心にも引っかからなかったんじゃねって考察されているのがコレ↓
Women Will Japan : 変えよう。働きかたを、女性の未来を。 - YouTube
正直、この一連の考察に、私は非常にひっかかった。いや、共感どれもできないっていうか…サイボウズのやつは、「で、解決策は?現状でいいわけねえだろ、悲劇のヒロインしてないでさっさと現実的な問題解決方法を模索しろや」ってめちゃくちゃイライラした。
この女性的な共感がバズる鍵という考察に対する違和感を感じながら、思ったのは、サイボウズと、グーグル、ボンカレーの最大の違いは、視聴者の突っ込みどころの有無だ。
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サイボウズは起承転結の「承」しかない。
サイボウズのVTRは、問題提起しかしていない。たぶん、ユーチューブで単体で見たら、ちょっとわかりづらいかもしれないくらい。「何がいいたいのかわからない」のだ。
それがこのVTRがバズったポイントだと思う。そもそもテレビの世界と違ってウェブ上の映像というものは必ずキャプションが入る。映像以外で、説明書きが必ずなされる。しかも、そのキャプションこそ、拡散の鍵になる。
もちろん、徹底したリアリティがあってこそのものだと思うが、リアリティがあっても、VTRを見て視聴者が納得してしまうオチが用意されていては、あまり拡散、バズったりはしないのではないだろうか?
つい「感動!やばい!」と言いたくなるだけなく「いやー意味がわからない」「問題定期としてはちょっとぶん投げすぎ」など、ついつい視聴者が突っ込みたくなる、一言言いたくなるからこそ、この映像はインターネット上でPVを集めることができたのではなだろうか?
テレビでは絶対にやらない作り方だ。(完結させないと番組終われないから)
- グーグルのVTRはテレビCM的
グーグルのVTRを見た時、これ尺を短くしてテレビCMにしたらけっこう受けるんじゃないかな?と思った。なぜなら、誰が見ても問題点がないからだ。起承転結が極めて明瞭。突っ込みどころがない。見てて不快でもない、テンポもいい、アイデアとしては面白い。
ただ…だからこそ、あえて誰もコメントはしない。リツイートも、FBで一言書き添えることもしないだろう。インターネット上では皆、自分流に味付け、一言自分の意見をいいたくなるものを拡散する。
覚えているだろうか?突っ込みどころ満載だったこのエントリーを↓
日本男子は、なぜベビーカー女子を助けないのか 女の言い分、男の言い分:PRESIDENT Online - プレジデント
これはいろんな人に批判されて拡散しまくったのに、同じプレジデントで投稿されていた良記事だった↓
男がベビーカー女子を助けない2つの理由 女の言い分、男の言い分:PRESIDENT Online - プレジデント
ぜんぜん拡散されていない。私もうんうんそうだそうだと思ってFBでシェアしなかった。(上の記事はシェアしたけどね!)
なぜなら、この記事は完璧だから、書き添える必要がないものを人は「うんうんそうだ」と納得して拡散しない。
一方通行のテレビや既存の文字媒体ならそれでも、視聴率を上げてくれるだろうが、双方向メディア(口コミメディアともいえる)のインターネットでは、「ちょっと聞いてくれる?これってどう思う?」とついつい口を挟みたくなる、余白があるものでないと、たぶん広がることはない。
その意味でグーグルは広がらず、サイボウズは広がった。
サイボウズがどこまで意図してやったのかわからないが、事業の主軸に直結している分、自分たちの意図を1つ1つバラバラに伝えていきじっくりキャンペーンをはっていく手法と、同会社員たちのリアリティが功を奏したのだろうと思う。(サイボウズは素晴らしい会社だと私も思う)
一テレビ屋としてこのネットとテレビでの映像表現の違いに気がつけたのはちょっとラッキーだった。
ちなみに、ボンカレーも、極めてテレビCM的な作り(現実よりもちょっとキレイな世界観とか、つか、サイボウズのお母さんもだいぶ完璧なキレイな世界の住人だと思うのだが、その辺は気にしないのかな)だ。
しかしテレビ的起承転結があるにも関わらず、炎上したのは(ネット民のツッコミの余白が出来たのは)実は(無意識的かもしれないが)真のターゲットが10〜30代の子を持つ親世代向けに作ってしまったのではないかと思う。マーケティングとしてはいかがなものかと思うが、大塚食品の上層部のおじさまたちにOKをもらうためには、多少彼らの価値観(彼らの世代が理想とする母親像)によせたものでなくては、企画自体が通らないのだろう。(その幻想はその幻想で美しいが、ボンカレーを使ってくれる現役ワーママ世代には響かないよね〜。)
どう見ても、小さいこどもを持つ母親は娘ポジションで主役は回想シーンのお母さんではないだろうか?私は母子べったりの関係ではなかったので、なんの琴線にも触れなかった(共感のかけらもできなかった)が、多くの娘たちの支配的なクソババア母の記憶とダブってしまい、「専業主婦のような母親のように慣れるわけなかろうもん!プンプン」と炎上したのではないだろうか?
テレビでよう見るCMのパターンすぎて全然なんとも思わなかったけど、ネットだとこんなにプンスカされるんですね。勉強になります。まあ、視聴者の年代層が違いますからね。
ボンカレーには、若い女性向けと見せかけてマダム向けだったマレフィセントと似た香りを感じます。ラプンツェルで毒母を裏テーマにしていたディズニーが毒母を主役にした作品を作るとは、いやはや、ディズニーのマーケティング力半端ねえと思います。。。
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